34歳になり、区分マンション投資を始めた経緯について記載しています。
前回は悪い印象を持っていたマンション投資について、業者の勧誘電話の内容を聞いて話を聞いてみるところから勉強を始めた経緯を書きました。
遠方までわざわざ出向いてくれる熱心な業者さんの説明(もとい勧誘)を聞き、マンション投資の大体の仕組みとセールストークについては学んだわけですが、どうもマンション投資をする魅力、意義が感じられなかったんですね。
具体的に記載すると
・区分マンションの投資は数千万円というお金を銀行から借りてマンションの1室を借り入れ、35年という長期間をかけて返済するプランをたてるものである
・入居者がいれば毎月賃料が入ってくるのでそのお金を月々のローン返済して利益もでるが、月々の収支はよくてプラス数千円程度である
・入居者がいなければ当然ながら月々数万円の支払いが発生する
・ローン完済すればマンションが手に入るけど、手に入るのは70歳で、しかも購入時から35年経ってる明らかに資産価値が落ちているマンション一つ
というのが営業のセールストークを聞いて自分が得たマンション投資の大まかなイメージで、やれ怪しげな節税対策やら年金代わりやら生命保険の代わりやら、いろいろメリットで修飾しようとするものの、根本的な資産を増やす手段としては、あまりにスピードが遅い上に得られるものが少ないと考えました。
ただそれでも不動産投資は株式と並ぶ資産運用の基本ということですし、営業があるということは仕組みとして成り立っているわけで、上手に資産運用できている人もいるのでしょう。
ということで、業者の話は鵜呑みにせず、自分でしっかり勉強することとしました。勉強の方法としては
・You Tube
・Kindle Unlimitedに登録されている不動産関連の書籍
の2本柱です。もともとKindle Unlimitedは契約していたのですが、調べてみると不動産関連の本はかなりの数が登録されており、追加資金なく読むことができたのでした。
You Tubeについては有名な大家さんやFPのYoutuberの動画を中心として、再生回数の少ない底辺Youtuberさんの動画や、特に区分マンション投資に否定的な動画を中心に見まくりました。
有名所ですとウラケン不動産やFP関根さん、もふもふ不動産さんあたりは人気だけあってわかりやすかったですね。
だいたい1ヶ月で動画は100本程度、本は30冊程度は読みました。
ここで不動産投資について全く知識がなかった自分にとっては大きく理解が深まっていくことになります。
いくつか列挙しますと
・不動産投資は1室の区分マンションだけでなく、一棟アパートや一棟マンション、戸建てなど様々な種類がある
・いずれの不動産投資においても新築か中古(築浅~築古)の選択肢がある
・どの地域に不動産を持つか(都心か地方か)という選択肢も極めて大事
・新築か中古か、都心か地方か、区分か一棟ものか戸建てかによって、必要な資金や得られる利益、リスクも様々
・実質利回り、ネット利回り(家賃収入から全ての経費を差し引いた利益の比率)で投資の良し悪しを判断する
・個人の自己資金のみでは普通は購入はできないので、銀行の融資(借金)は必要になるが、資産価値がある不動産でないと銀行の融資はおりない
あたりです。まー基本の基本ですが、自分で勉強するまでこんなことも知らずに業者の話を聞いていたわけです。危ない危ない(^_^;)
以下、不動産投資に詳しくない方のために書いていきます。
不動産投資をするにあたっては
・資産価値(物件自体の価値)
・実質的な利回り(年間の家賃収入-諸経費/物件購入価格)
が極めて大事になります。
自分が営業で勧められた物件を例に取ります。
大阪の都会の駅チカのマンション一室で1600万円、家賃収入が月7万円程度の物件でした。
この物件を現金一括で購入したとします。月々7万円の家賃収入は入りますが、実際はマンション管理費や修繕積立金が月々1万円ほどは差し引かれ、さらに固定資産税が5万円ほどは毎年かかります(他にも設備の不具合とかで修繕費が発生したりもしますが)。
その場合は(70000-10000)✕12-50000で年間の収支は67万円、対して1600万円の購入費用なので67/1600=4.18%が実質的な利回りになります。
実際はローンを組んで購入することが殆どなので、この年間の収支からローン返済を差し引いたのが実際の手取りになるわけです。
よって実質的な利回りは高ければ高いほうがよいわけなので、そのためには家賃収入が高いか、物件購入価格が安い必要があるのですね。
年間収支については空室が発生すれば当然ですがさらに利益は下がりますし、ほか設備の不具合などで修繕費が発生するとさらに利回りは下がります。
それでも上記物件を購入したと仮定したら年間60万円ほどプラスになるのに加え、さらにそのマンション一室自体が1600万円の資産価値をもっていることになります。
資産価値というのは経年で下がってくるものですが、都会部や駅チカなどは需要が高いため資産価値が下がりにくいのは誰でも理解できるところです。またその時の景気や情勢によって資産価値が場合によっては上がることもあります。
よって不動産投資で成功するためには、できるだけ資産価値が高く、実質利回りのよい物件を購入する必要があるわけですね。
資産価値と利回りの関係性としては
・資産価値は都心>地方
・資産価値は新築>築浅>築古
・利回りは地方>都心 (賃料に対する物件価格が安いから)
・利回りは築古>新築~築浅 (賃料に対する物件価格が安いから)
・利回りは一棟アパートや一棟マンションor戸建て>区分マンション
・価格の相場は一棟マンション>一棟アパート>戸建て、区分マンション
のイメージでよいでしょう。
資産価値が高いということは物件価格が高いということなので、概ね資産価値と利回りは反比例すると考えるのがよいです。
利回りの高さを求めると地方の築古物件になりますが、資産価値が低くなるので賃貸需要が低く賃貸が成立しない可能性(空室リスク)があります。空室になると結果的に収入が減って利回りも下がってしまうことになってしまいます。
であれば資産価値と利回りを両立できる都会の中古の一棟アパートや一棟マンションの経営が一番良いんじゃないかという話になるんですが、そんな単純な問題でもないんですよね。
ポータルサイトで調べればわかりますが、都会の一棟マンションは好立地であれば築古でも数億円以上が普通です。一棟アパートでも規模によりますが木造でも1億は普通です。
この規模になると投資初心者が手をだすには価格帯が高すぎるのと、一棟ものでも特に築古は修繕費用が高くついたり、そもそも築古ということで銀行から融資がおりにくかったり借入の金利が高くなったりという問題があります。数億の借金をかかえて空室が多数発生した場合は、状況に応じてローンが支払えず破産する可能性すらあります。
地方の築古物件にしろ一棟ものにしろ、利回りの高さとリスクの高さは概ね比例するということです。
区分マンションや一戸建てのほうが購入金額も低く、借入金額も少なく済むので投資初心者でも手がだしやすい、リスクが低いという点があります。
ただ戸建ては流通量が多くないのとやはり融資がおりにくいという問題があるので、築古のボロボロ戸建てを数百万円で現金購入してセルフリノベーションして資産価値を上げて数万の家賃貸し出す、といった高利回りを狙う手法もあります。よくYoutubeでその手の動画が投稿されていますが、うまくいけば実質利回り20%以上といった高い利回りが狙える良い方法だと思います。ただリノベーションの知識と、何よりリノベーションに割く時間、労力が必要です。
そんななかの不動産投資における区分マンションの立ち位置なんですが、特にYout Tubeの有名な動画配信者さんは、特に区分ワンルームマンション投資については否定的な意見の方が多いです。
その理由としては
区分マンション投資は賃料の割に物件価格が高すぎる(実質利回りが低すぎる)ので、資産を拡大するのに向かない、投資効率が悪い
がメインかと思います。
これは本当にその通りで、例えば上に出した購入価格1600万円、家賃収入が月7万円程度のマンション1室であれば、年間家賃収入は60万程度ですが、この年間家賃収入から月々ローン返済を行う必要があるわけで、1600万円をフルローンで組む場合は年間収支はプラマイゼロ、場合によってはマイナスになります。
しかも資産価値、家賃は一般的に時間が経つと下がっていきますので、月7万の家賃は10年経てば6万程度になる可能性はありますし、そうなるとさらに年間収支はマイナスにむかっていきます。
資産形成、不動産投資を事業として成り立たせるためには、この年間収支がプラスにならないとお話にならないというわけですね。
区分マンションだけは投資してはいけない、という動画を多数みましたが、大体上記の内容になると思います。また特に新築の区分マンションは購入時点から中古になる時点で資産価値が大きく目減りするので、さらに年間収支と資産価値分のマイナスが目立つことになり、まずやると失敗する、という主張の動画が多いですね(この新築区分マンションについては自分も同意見です)。
また中古の区分マンションを検討するにしても、できるだけ資産価値が高く、実質利回りのよい物件で探す必要があります。ただそんなマンションを購入したくても、売りに出されなければ購入できないという当たり前の問題があります。資産価値があって実質利回りの高い、非常に良い物件があって購入できた人がいれば、そんな物件は当然手放さないですよね。
このように色々勉強することによって、自分が営業さんから話を聞いたときに感じたマンション投資に対する疑問、すなわち月々の収支がマイナスで投資をする意味があるのか、という点についても間違った疑問ではなかったことがわかってきました。
さて、このようにイマイチな点も十分理解したはずの自分が、結局区分マンション投資を始めた理由については、次の記事で記載していきます。